生活費とSVや各種研修等費等、より質の高い支援提供には自己研鑽が必要です。
お金が全てではありませんが大切です。
とはいえ求人数はあまり多くないと感じます。
特に、医療機関×正職員×臨床心理士など条件を絞れば絞るほど、自力だけでの転職は難しく感じました。
目の前の支援をおろそかにしないようハローワーク、転職サイト、エージェントの力を借りました。
サービスごとに強み、弱みがあるかと思いますので、いくつかを組み合わせつつ、そして日々の仕事や役割にも支障ないよう、じっくりと進めていった実例を紹介いたします。
私の事情
私は臨床心理士と公認心理師の資格をとったあたりで、一時期正規職員として勤めていました。
ただ、さまざまなライフイベントと重なったり、あまりにも自己犠牲すぎる働き方を自主的にしていたためか、身体を壊しました。
その後、まず自分自身の心身のゆとりや健康が、すべての土台になると体感しました。
その上で、改めて生きていく上で何がしたいかということも考えました。
「心理士がしたい」
私は臨床家として生きることを願い、リハビリを兼ねて非常勤勤務を1つから、徐々にかけもち、調子の安定を数年かけてみながら、改めて正規職員を目指しました。
特に、ただ生活するだけでしたら十分なお給金をいただけていましたが、働けば働くほど、クライアントさんにお目にかかればかかるほど、我流には限界を感じました。
SV、学会、研修…そうしたものに、元気になればなるほど、参加する機会が増えていきました。
そうすると、資金不足を感じるようになりました。
お金が全てではありませんが、お金は大切。
そう感じ、より良い条件での転職を探すこととしました。
活用したサービス
いずれも無料で助けていただきました。
上司、県臨床心理士会のつながりからの情報
これは、日常生活をしていると、自然発生的に情報が得られました。
特に、非常勤勤務を掛け持っていく際に、直々にお声をかけていただくなどありました。
真摯に働きつつ、顔も出しつつ、素直に過ごす。
これが肝要だと感じます。
ハローワーク「わかものハローワーク」
おおむね35歳未満の方が支援を受けることができるサービスです。
ハローワークに行き、転職の相談をすると、案内していただきました。
そこから、私の場合で言えば、履歴書や職務経歴書の書き方、体調、そういったことを担当の方と話し合いながら、進めていきました。
転職サイト「ジョブメドレー」「インディード」
ハローワークに並行して、情報を収集します。
ジョブメドレー
ジョブメドレーは、医療・福祉関係の求人を得意としているサービスのようです。
プロフィール作成画面で、経歴や自己PR等を書いていき、地域や条件等を設定すると、合致する求人情報が出てきます。
また、場合によっては、企業さん側からも、私のプロフィール(公開範囲で設定している部分)をみて、スカウトメールをくださることもありました。
履歴書や職務経歴書は、このサービスでプロフィール欄に入力したものが自動的に反映されますので、応募の際はそれをそのまま送信すればよく、楽でした。
加えて、ジョブメドレー経由で入職が決まると、ジョブメドレーからお祝い金がもらえました。
こちらは、システムから案内がありましたので、もらいそびれはおそらくないと思います。
雑感としては、福祉分野(療育など)の求人やスカウトが多いと感じました。
インディード
インディードは、ハローワークと同じく、求人情報をウェブ上で探すのに使いました。
他のサイトと重複することも多いですが、ひょっこり知らなかった求人情報が出てきたりしました。
体調復帰後の最初の非常勤で勤め始めた際の企業は、インディードから見つけました。
転職エージェント「リクルートエージェント」「ワークポート」「ビズリーチ」
友人から、転職エージェントの存在を教えてもらいました。
転職エージェントとは、転職を検討している方と採用を考えている企業の間に立って、転職成功を支援するサービス。求人動向や転職ノウハウに長けているキャリアアドバイザーが、求職者の転職活動をサポートします。
リクルートエージェント『転職エージェントとは』より引用
特徴としては、転職希望者(私)は利用料無料。
転職希望者が入社を決めると、企業からエージェントに報酬が支払われる仕組みのようです。
色々調べてみると、転職エージェントごとに得意不得意(業界の規模や業種など)があったり、担当するアドバイザーさん自身の個性もあるようです。
私の独断と偏見で、持っている求人数が最も多いとされるリクルートエージェント、そして友人が実際に使ったビズリーチ、そしてビズリーチ経由でワークポート(後述)の3社に助けていただきました。
私の独断と偏見と想像に基づく見解ですが、おそらくこれは転職エージェントというビジネスモデル故のデメリットだと思います。
なぜならば、これは、人材を探している企業がお金を払って、転職希望者をマッチングしてもらうものだからです(私見)。
病院、官公庁、そういったところの心理士の求人は、常に毎年一定数募集しているわけでもありませんし、募集すれば倍率が1を上回って応募があるでしょう(たぶん)。
そうすると、わざわざ、転職エージェントにお金を払う必要性がないから(だと思います)。
また、全く希望しない求人を紹介されることについては、これは担当者様との話し合いや、担当者様の個性によると思います。
担当者様によっては、「希望と違うけれど、面談でうかがったことからすると、こういうところももしかしたら合うかもしれない、参考としてどうですか」という感じで案内いただけることもあります。
この場合は、参考にしつつも、不要ならば不要と伝えれば、その類の紹介はなくなりました。
一方、ほぼ機械的に、合致する条件(希望年収や転職希望時期や地域など)のどこかにヒットすればいいや、という感じで紹介される場合もあるようです(口コミをざーーっと見た情報から。これはどのエージェントサイトでも同じかもしれません)。
私は運良く、とても良心的な担当者さまに担当していただけたので、後者の方はありませんでした。
担当者様は、適宜変更していただくこともできるようです。
リクルートエージェント
紹介できる求人数が業界でトップクラスのようです。(webをざっと閲覧した所感)
ということは、自力で探す心理士の求人も、ある程度お持ちなのではないか、という発想で登録しました。
流れとしては、
- サイトに新規登録する
- プロフィール(これが職務経歴書や履歴書に反映される)を入力する
- 並行して担当者さまからあいさつがある。
- 担当者様と初回面談日を設定する
- 面談しながら、適宜書類の完成、希望条件、紹介の頻度やサポートの仕方などを調整する
といったことからサービスがスタートしていきます。
よくわからない項目があっても、とりあえず大まかで構わないので入力していくと、面談日に担当者様が必要なことを聞き取ってくださって、最終的に書類が完成します。
私を担当してくださった方は、本当に私の話をよく聴いてくださりました。
業界大手の強みを活かした求人情報やテクニックだけでなく、私の状況、心情も可能な限り汲んでくださりました。
伴走、という言葉はこういう時に使う言葉なのだろうなと、常々感じました。
業態は違いますが、私も人の心に寄り添う生業をする上で、学び多くありました。
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ビズリーチ
こちらは、直接ビズリーチのエージェントさんに担当してもらって紹介してもらう、という類のものではありません。
複数企業様や転職エージェント様と転職希望者がそれぞれ繋がる場、のようなサービスだと感じます。
こちらも業界で有名らしく、エージェント様からのスカウト、求人情報など、たくさんいただけました。
ビズリーチ様が悪いというよりも、企業やスカウトする方がたくさん利用しているので、中には強引だったり、正直出会いたくない方もいました。
そのため、こちら側にある程度「芯」がないと、疲弊すると思います。
何度か対応していると、私にとって心地よい距離感や間合いがわかってきました。
なお、後述するワークポート様とのご縁も、ビズリーチ経由でした。
ワークポート
こちらは、上記のビズリーチに登録をしていたら、いくつか面談のお話をいただけた転職エージェントさんの一つでした。
上述のリクルートエージェントの担当者様と同様、ご縁があって本当に良かったと感じました。
ありがたいと感じた点は、リクルートエージェントのところで書いたものと同じです。
また、お持ちの求人の豊富さも、私の条件では、リクルートエージェントと同等(?)に感じます(完全に主観)。
専用のアプリでのメッセージや求人紹介やスケジュール管理などについても、使い心地はリクルートエージェント様と同様に感じました。
こちらの担当者様も、私の話を真剣に聴いてくださり、私に無理のない範囲での活動、かつ、あげられる年収の具体、そして正直私の条件では厳しい面もある(求人数)ことも正直にお答えいただいた上で、それでも一緒に進めてくださいました。
また、ワークポート様は、私の強みや職種から、「心理職求人が直接出ていない企業」に、「こんな人材がいますよどうですか」と直接交渉してくださりました。
例えば、病院にて精神保健福祉士を募集しているところに、今は心理士を募集していないけれど、こんな条件でこんな人柄だけど一度会ってみませんか、など交渉を進めてくださり、1枠作っていただいたこともありました。
大切だと思った心構え
最終責任は全て「私」
ひとつだけ言っておこう。君はぼくを乗り越えると言ったが………(中略)
他人を負かすってのはそんな難しい事じゃあないんだ………
もっとも『むずかしい事』は!
いいかい!もっとも『むずかしい事』は!
『自分を乗り越える事』さ!
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第4部内「ジャンケン小僧がやって来る!」その⑥より引用
生殺与奪の権を他人に握らせるな!!
(中略)
泣くな。絶望するな。そんなのは今することじゃない。
お前が打ちのめされてるのはわかってる。(中略)
つらいだろう。叫び出したいだろう。(中略)しかし時を巻いて戻す術はない。
(中略)
脆弱な覚悟では、妹を守ることも治すことも。
家族の仇を討つこともできない。
吾峠呼世晴『鬼滅の刃』第1話 p.38-42より引用
どの支援サービスを活用しても、転職の決断をするのも、中断するのも、アドバイスを受け入れる、受け入れない、全て含めて主役は「私」です。
時に情報に振り回されそうになることもあります。
そのたびに、私がなぜ転職活動を志したのか。
何を大切にしたいのか。
そのために今、何を選択し、どう行動するか。
常にこのことは考えながら活動しました。
助言提案はまず素直に聞いた上でそしゃくする
幸い、私を担当してくださった方々の根っこの部分は、私に寄り添い、進めてくださることだと感じました。
しかし、お話いただくことの細部・枝葉の部分で、担当者様ごとに若干の違いや矛盾もありました。
富士山に登るために様々な登山ルートがあるように、同じ目的でもそのアプローチ方法は様々かと思います。
担当者様に一定の信頼を寄せるのならば、まず一旦ありがたく助言をちょうだいする。
その上で、自分に合う合わない、アレンジはあるかなどそしゃくする。
そしゃく結果を担当者様に伝えると、さらに私にカスタマイズされた情報がいただけました。
素直に進めていくと、だんだん、自分にとっての向き不向きも色々と見えてきました。
心理士として、一個人として大切にしたい条件を整理していく
こと、転職活動において私が重視した点に絞ると
- 医療機関の心理士
- 正規職員(待遇や責任をもって中長期的に支援したい)
- 休日数(私生活と、自己研鑽のゆとり)
- カウンセリングと、検査が実施できる
- 年収は◯万円以上(生活費とゆとりを持った自己研鑽の予算)
と、明確にしました。
情報が多い分、何に重点を置くか、自分が果たしたいつとめは何か、自分のキャパシティはどれくらいか、私生活はどういうスタイルか、等、「芯」を決めることが大切だと思います。
また、芯は、何もせずには生まれないと感じます。
今後も、微妙に重みづけは変わると思います。
担当者様とキャッチボールをし、日頃お目にかかるクライアントさんと過ごし、私生活を過ごし、私が全身全霊で感じながら、今この瞬間の芯を感じ取っていきます。
「選ばないこと」を決める
前項とセットです。
重視する点を決めるということは、それ以外はある程度取捨選択をします。
- 心理士×医療機関×正規職員 以外の求人は情報遮断・スカウト辞退する。
- 就業地域は、場合によっては現在地にこだわらない
- 家族とリズムがずれる勤務形態は選ばない
大切なことがはっきりしているのならば、他はある程度手放す覚悟もしました。
今の生活と仕事を犠牲にしない
これもまた、前述までの項目とセットです。
転職活動で今現在が疎かになったら、現在も未来も進みません。
睡眠、食事、運動などはもちろん、友人、家族、現在の職場の人間関係、今まさにお目にかかっているクライアントさんへの支援、そのための継続している研鑽。
一時的なダッシュは必要かもしれませんが、長続きしない方法は誰も幸せになりません。
「覚悟」とは………………
犠牲の心ではないッ!(中略)
「覚悟」とは暗闇の荒野に!!
進むべき道を切り開く事だッ!
荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第5部内「ホワイト・アルバム その⑥」より引用
おわりに
友人、ハローワーク、上司、県臨床心理士会、求人サイト、そして転職エージェント。
様々な方に公私共にサポートいただき、今回、転職することができました。
併用しているということは、特に、利益という形でお返しできなかったサービス様もありました。
それにも関わらず、いずれの方も、第一声で私へのご祝辞くださいました。
私の希望職種からしますと、球数も少なく、かつ吟味を重ねてくださったと想像に難くありません。
仕事をしながら、転職先を吟味し、かつ対策を立て、というのは、1人ではとてもできなかったことです。
私の転職の根本を常に思い出させてくださり、また私のペースや気持ちを第一に、寄り添ってくださり、ありがとうございます。
私が唯一誇れる強みとして、人に恵まれることを自負しておりますが、各担当者様との出会いは、まさに、どうあっても得難いご縁と感じております。
どうぞ今後の益々の各サービス様のご繁栄、そしてご担当者様、大切な友人、上司、心理士会の皆様のご健康、ご活躍を、こころよりお祈り申し上げます。
また、この記事をご覧いただいている方の今後に、何かお役に立てましたら幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
このブログが、あなたがあなたらしく生きるための土台づくりの、何かのヒントになりましたら幸いです。
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